昨日、遂に卒業式が行われました。卒業式は英語だとCommencementというんですね。単語としては「始まり」という意味ですが、育てた学生を送り出す気持ちなのでしょうか。
現地時間の土曜16:30に行われる式は、日本だと日曜朝6:30。朝6時前にもぞもぞと起き出して準備を開始しました。ちなみに、卒業式は学部生を2回に分けて、修士・博士は1回にまとめて、合計3回の卒業式が行われるそうで、私は後者のに出席します。この卒業式は、キャンパスの学生も、オンラインの学生も、まとめて対象になっています。
学部事務局から届いていたメールのリンクをクリックするとYoutubeに繋がりました。静止画には「もうすぐ始まります」と書かれていて、その下には「70人が待機中」の表示。アメリカの中でも実際に卒業式に行けない人がこんなにいるんだなぁと思うと、日本から行けないことに諦めもつきました。
卒業式のガウンを着て、帽子をかぶって、パソコンはテレビに繋いで大画面で表示、椅子をテレビの前に持ってきて、家の中だけど靴を履いて、少しでも卒業式に出席している気分になるように整えました。準備をしている最中、画面には、事前に撮影されていたビデオが断続的に流されていました。美しいキャンパス、フットボールの応援風景、学校生活を振り返る学生のコメント。オンライン学生にはどれも感慨を感じられず、涙。あぁ、コロナが無ければ、夏に1週間、キャンパスで授業を受けられたのに。。。くぅぅぅ。
いよいよ開始時間になると、会場が映し出され、学校の偉い人たち(?)が入場してきました。芸術関係の学部なのか、女の人が出てきてアメリカ国家を斉唱します。私も起立して、胸に手を当てて厳粛に国家を聞いていましたが、「アメリカの球場で大リーグの試合を見たときも同じことしたな」と思い出し、この行為の重みが少し軽いものになってしまいました。
学校の偉い人が祝辞を述べた後、Alumniという同窓会からの祝辞メッセージビデオを見て、いよいよ卒業生の名前を読み上げる段階へと移ります。なんと、対象者が1,000人もいるということで、出席している卒業生はみんな一列に並んで、ベルトコンベアのように名前の読み上げと、写真撮影が進んでいきます。会場に行けない人も名前を呼ばれるものだと思い込んでいたのですが、会場に出席できた人のみ名前が呼ばれて終わってしまいました。
式が終わってからあらためて大学のウェブサイトを見ると、卒業生ひとり一人について、名前と学部名が書かれたスライドとそれを読み上げる5秒ほどの音声を組み合わせたファイルがずらりと並んでいました。自分のスライドもあってほっとひと安心。うれしくて音声を10回くらい再生してしまいました。
コロナ禍での卒業式だからか、帽子を放り上げる場面もなく、最後にMaroon5の曲を流して、教授陣がノリノリで退場して終わってしまいました。やむなく、家でひとりで帽子を放り投げてみましたが、天井が低すぎる。。。オンライン留学か、現地での留学かで悩んでいる方、この写真を見れば絶対現地での留学を選ぶべきでしょう?
とはいえ、私にとって、このオンライン留学はとても価値のあるものでした。結婚していておいそれとアメリカには留学できないですから。このアメリカの大学は、外国に住む外国籍の女性に、アメリカの学生とともに学ぶ機会をくださいました。卒業式の後、学部事務局と教授に卒業式の写真を添えて、「私を受け入れてくださってありがとう」というお礼のメールをお送りして、私のオンライン留学は終わりました。