ビジネス系のクラスで出てくるcritical thinking
リーダーシップの授業で必ずといっていいほど出てくる言葉に「クリティカルシンキング」があります。直訳すると「批判的思考」。今回の大学院のリーダーシップコミュニケーションのクラスで、またこの言葉に出会いました。ちなみに、最初にこの”critical~”という言葉に出会ったのは、ESL(第二外国語としての英語)のreadingの授業で出てきた「critical reading」でした。”Critical”というのは具体的にはどのような行動なのでしょうか。The foundation for Critical Thinkingに掲載されている情報をもとにご紹介します。
Critical thinkingの定義
The foundation for Critical Thinkingには、the National Council for Excellence in Critical Thinkingによって1987年になされた定義が掲載されています。これを要約すると、「クリティカルシンキングとは、観察や経験、推察、コミュニケーションによって情報を収集し、さらにその情報を、分析、評価するプロセス」であり、またそのプロセスは、「明確性、正確性、健全な証拠、公平性などの知的価値観に基づいたもの」であるとしています。
つまり、クリティカルシンキングはただ深く考えるのではなく、情報を得る過程、また結論を出すまでの過程において、様々な角度からその情報を考察し、または追加の情報を取り入れながら、自分がそれを正しく、深く理解しているかを、常に自分に問いかけることだと言えます。
なぜリーダーにcritical thinkingが求められるのか
クリティカルシンキングが必要とされる背景には、「私たちの思考は、放っておくと、思い込みに偏ったり、情報の一部しか把握できなかったりしてしまう」という前提があります。クリティカルシンキングによって思考の質を高めることで、その結果生み出されるもの、例えば、「決断」の質を上げることができます。
The foundation for Critical Thinkingによると、クリティカルシンキングを身につけたリーダーは、次のようにして思考を進めていきます。
1.問題を正確に把握する。
2.情報を収集、評価し、根拠のある結論と解決策を導き出す。
3.オープンマインドで考える。
4.他者と効果的にコミュニケーションをとる。
リーダーのタイプはいろいろありますが、もしかしたら「リーダーとは全ての質問に答えられるべき」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、複雑になったビジネスの中で、ひとりですべてを把握し決めていくのは容易なことではありません。
今回の大学院のクラスでは、特に「3.オープンマインド」で様々な見方や考え方を取り入れ、「4.他者とのコミュニケーション」を積極的に行うことがカギであると考える学生が多くみられました。
References:
The foundation for Critical Thinking. (n.d.). Defining Critical Thinking. https://www.criticalthinking.org/pages/defining-critical-thinking/766